声のプロが選ぶ「本当に歌が上手い」女性アーティストは?(1)お手本のような声…専門家が太鼓判を押す才能は?
男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする―。英国の作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言だ。この言葉の真偽はさておき、“いい声”が人の魅力を高めるのは確かなようだ。「歌うま」と呼ばれるアーティストには、技術や経験を超えた“天性”の魅力がある。そこで今回は日本美声チューニング学会の三浦人美会長に「本当に歌が上手い」女性アーティストを5人、セレクトしていただいた。第1回。(取材・文:編集部)
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たゆみない研鑽に裏打ちされた伸びやかな声
吉田美和(DREAMS COME TRUE)
ーーーはじめは、DREAMS COME TRUE(ドリカム)の吉田美和さんです。
「吉田さんの声は伸びやか。クセがなくてすっと入ってくるお手本のような声ですね」
ーーー吉田さんの伸びやかさと屈託のなさは、そのままドリカムの個性になっていますね。
「はい。ボイストレーニングもしっかり受けられているので、お年を召されても声が衰えず、どんなジャンルの曲にも対応できるのかなと思っています」
ーーー確かに、ドリカムの曲は、ファンクにソウル、R&Bと、さまざまなジャンルの曲がありますね。
「そうですね。ただ、吉田さんの伸びやかな声の真価を発揮できるのは、やっぱりバラード曲ですね」
ーーーちなみにドリカムといえば、ライブパフォーマンスが目玉というイメージがありますが、吉田さんの声はライブ向きなんでしょうか。
「そうだと思います。ただ、吉田さんの場合、ライブの経験を重ねていく中でどちらかというとライブをたくさん重ねていく中で“出来上がってきた”という印象ですね」
ーーードリカムの全盛期である1990年代は、ライブ全盛期でもあります。
「そうですよね、吉田さんも、デビュー当時と変わらず共感性の高い歌詞を説得力ある歌声で届けられるのは、当時のライブ経験の賜物だと思います」
【日本美声チューニング協会三浦人美会長 プロフィール】
発声解剖学をベースにした声を出しやすい身体に整える美声チューニング®を提唱。20代はバンドのボーカルとして芸能事務所へ所属。年間300本のライブをこなし歌い続けた経験の中で発声・姿勢・呼吸等、身体のアプローチから声を変えていく手法を実践。バンド活動の終了後は、講師として稼働をスタート。人前で声を扱うことが多い企業代表や芸能事務所所属のアーティストレッスンまで延べ3,000人以上の方を指導する。
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【了】