えっ嘘でしょ…「鬼滅の刃」アニメ版で削られた原作の名場面5選。原作だけの感動…名場面から読み解くキャラの魅力とは?

text by 小室新一

アニメ『鬼滅の刃』は圧巻の映像で多くのファンを魅了してきたが、原作にある人気シーンの中には惜しくもカットされた場面が存在する。本稿ではその中から5つのシーンをピックアップする。(文・小室新一)
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『無限城編 第一弾』で省かれた胸アツシーン

義勇が錆兎とお姉さんを思い出す(無限城編)

冨岡義勇『鬼滅の刃』
ufotable公式Instagramより

 現在公開中の『劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一弾』は、圧倒的な映像美と原作を補完するストーリーテリングで高い評価を集めている。だがその一方で、原作に存在した印象的な場面が映画では省かれている。

 無限城で炭治郎と義勇が上弦の参・猗窩座と相対するシーン。ここで義勇は、かつての友・錆兎と、自分を守って命を落とした姉の面影を思い出す。義勇が身にまとう羽織が二種類の柄で構成されているのは、その二人の想いを受け継いでいるからだ。

「もう二度と目の前で家族や仲間を死なせない。守る。炭治郎は俺が守る。自分がそうしてもらったように」

 義勇の決意を示すこの言葉は、彼が猗窩座討伐へ挑む覚悟を強く印象づける。柱としての信念だけでなく、彼の過去と心の痛みが凝縮された名場面である。

 映画ではおそらく上映時間やストーリー構成の都合でカットされたのだろう。しかし、柱の想いの強さを知るうえで重要な場面だけに、スクリーンでも見たかったという声は少なくないはずだ。

 一方で、アニメ「柱稽古編」では、この過去が原作以上に丁寧に描かれている。また、映画公開記念の公式YouTube特別動画『そして無限城へ〜冨岡義勇編』では錆兎が登場し、義勇の背景を補完する演出がなされている。劇場版で削られたエピソードを別の形で拾い上げてくれる点も、ファンにとっては大きな救いだろう。

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