重傷者の中でひときわ光る「禰豆子の寝不足」オチ
那田蜘蛛山後のケガの様子
那田蜘蛛山での激闘を終えた炭治郎と禰豆子は、柱合会議を経て蝶屋敷へと運ばれる。深手を負った二人の治療のためだ。そこでは、同じく傷だらけになった善逸と伊之助も療養していることが明かされる。
アニメではすぐに「機能回復訓練」へと物語が進むが、原作ではこの前にキャラクターそれぞれのケガの状態が丁寧に描写されている。この説明がどこかユーモラスで、ファンの間でも人気のシーンのひとつだ。
炭治郎、善逸、伊之助の負傷記録は、いずれも深刻そのもの。
「炭治郎 顔面及び腕・足に切創 擦過傷多数 全身筋肉痛 重ねて肉離れ 下顎打撲」
といった具合に、まるで病院のカルテのように詳細かつシリアスに語られる。
ところが、禰豆子だけは例外だった。
「禰豆子 寝不足!!」
たった一言。まるでオチのように軽やかに処理され、張り詰めた空気が一気にほどけていく。こわばっていた禰豆子の表情がふっと和らぎ、読者までも安心させられる瞬間だ。
柱合会議の重苦しさを払拭するワンクッションであり、かまぼこ隊の“かわいらしさ”を際立たせるエピソードでもある。しかし、このコミカルなやりとりは残念ながらアニメではカットされてしまった。