縁側でひっくり返るカナヲの素顔
カナヲが縁側でひっくり返る
幼いころ親から虐待を受け、感情を閉ざし、自分の判断で行動できなくなってしまった栗花落カナヲ。そんな彼女に、胡蝶カナエは「迷ったら銅貨を投げて決めればいい」と教える。
その教えを守るように銅貨を投げるカナヲを見た炭治郎は、ある提案をする。次に表が出たら「これからは自分の心の声をよく聞くこと」。
そして炭治郎は見事に表を出す。驚くカナヲに対し、もし裏が出ても出るまでやるつもりだったと明るく告げ、笑顔でその場を去っていく。アニメ版では、銅貨を強く握りしめるカナヲの姿を最後に、物語は次の章へと移っていく。
しかし、原作にはその先が描かれている。炭治郎と別れた後、我に返ったカナヲは、三人娘のひとり・きよちゃんに声をかけられる。とっさに反応したカナヲは、なんと縁側からひっくり返ってしまうのだ。
普段は感情を滅多に表に出さないカナヲが、思わず素の表情をのぞかせるこのシーン。彼女の心の変化を象徴する瞬間でもあり、アニメでぜひ映像化してほしかった名場面のひとつである。