禰豆子の箱に語りかける善逸の優しさ
禰豆子の箱に話しかける善逸
蝶屋敷での治療を終えた炭治郎、善逸、伊之助は、身体機能を高めるため「機能回復訓練」に挑む。炭治郎は持ち前の粘り強さで、呼吸を四六時中維持する「全集中・常中」を早々にマスター。一方、善逸と伊之助は訓練の厳しさに音を上げ、一時は逃げ出してしまう。
しかし、しのぶの励ましや炭治郎の成長に刺激を受けた二人も、やがて奮起。ついに「全集中・常中」を自らの力で習得するのだった。
その合間、那田蜘蛛山で刀を失った炭治郎と伊之助は新しい刀を受け取る。だが、その場に居合わせた善逸は、二人の傍らで眠る禰豆子の箱にそっと語りかけていた。
「でもさぁ、できなかったことができるようになるのって嬉しいよね。炭治郎は俺をずっと励ましてくれたよ。いいお兄ちゃんだねぇ、禰豆子ちゃん」
弱音ばかり吐いていた善逸が、炭治郎の努力に感化され、素直な思いを口にするこの場面。彼の成長が垣間見えると同時に、禰豆子への変わらぬ優しさも感じさせる印象的なシーンだ。
残念ながらこのやりとりはアニメ版では描かれなかったが、原作では善逸ファンの間で高い人気を誇る場面のひとつ。「下野紘さんの声でこのセリフを聞きたかった」という声が多いのも納得だろう。