無限列車で描かれなかった3人の夢
無限列車の善逸・伊之助・煉獄さんの夢のシーン
無限列車編といえば、映画版とテレビ放送版の演出の違いが話題になる。そのひとつが、魘夢の血鬼術によって人々が“幸せな夢”を見る場面だ。
映画ではそれぞれの夢がしっかりと描かれるが、アニメ版では炭治郎の夢だけに焦点が当てられ、善逸や伊之助、煉獄杏寿郎の夢は省略されている。
善逸の夢は、彼らしい一幕。禰豆子と並んで歩き、満面の笑みを浮かべる幸福そのものの光景だ。
伊之助は探検隊の隊長として、狸の炭治郎・鼠の善逸・兎の禰豆子を引き連れ、得意げに冒険を繰り広げる。
そして煉獄杏寿郎は、かつて果たせなかった「柱になった」という報告を父に告げる。誇らしさと同時に、胸が締め付けられる場面だ。
これらの夢は、三者三様の個性を映し出すと同時に、物語にひとときの和みをもたらす。しかし、それが魘夢によって与えられた“偽りの幸福”だとわかる瞬間、切なさが一層際立つ。
観る者の心を揺さぶる、まさに無限列車編ならではの名シーンだ。
【著者プロフィール:小室新一】
埼玉県出身。映画や旅行、建築などのジャンルで主に執筆活動をしているライター。学生時代から演劇の道へ進み、映画や舞台などに出演。現在は、映画の魅力を多くの人に届ける活動をしている。特に好きなジャンルは、SFアクションやミステリー作品。“今日は残りの人生、最初の日”をモットーに、素直な感情を執筆。
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