同時期の事件により放送中止にも追い込まれた
『エコエコアザラク -WIZARD OF DARKNESS-』(1995)
監督:佐藤嗣麻子
脚本:武上純希
出演:吉野公佳、菅野美穂、高橋直純
【作品内容】
黒井ミサ(吉野公佳)が聖華学園に転校した頃、東京では猟奇殺人が続発していた。オカルト好きの水野(高橋直純)は事件現場を結ぶ中心に学園があると気づく。そしてついに、学園内部で恐怖の惨劇が幕を開ける。
【注目ポイント】
1995年に公開された映画『エコエコアザラク』は、古賀新一の同名マンガを原作に、黒魔術を操る転校生・黒井ミサが学園を舞台に惨劇へと巻き込まれていく姿を描いた作品である。監督は当時新鋭だった佐藤嗣麻子、主演は吉野公佳。シリーズはその後も続き、ミサ役を佐伯日菜子や加藤夏希らが演じ、大ヒットを記録した。
映画の成功を受け、1997年にはテレビ東京系列で連続ドラマ版『エコエコアザラク』が制作され、佐伯日菜子が黒井ミサを演じた。しかし、同時期に起きた神戸連続児童殺傷事件の影響によって、一部の放送局では放送中止となった。結果としてドラマ版の再放送やソフト化は限定的となり、現在も配信サービスでの視聴はほとんど不可能な状況だ。
また、かつて発売された「THE MOVIE COLLECTION(劇場版Ⅰ&Ⅱを収録した豪華ボックス)」は、現在では新品流通が途絶え、中古市場では数万円から十万円前後で取引されており、その希少性はコレクターズアイテムとしての価値を高めている。
ドラマ版の放送中止という社会的経緯は、本作の“まぼろし”性を強めており、中古DVDやVHSが高値で取引される大きな要因の一つとなっていると言えるだろう。