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有名タイムリープ青春映画、アニメリメイク前の実写版

『時をかける少女』(1983)

原田知世姑獲鳥の夏東京プレミアにてGetty Images

上映時間:100分
製作国:日本
監督:大林宣彦
脚本:剣持亘、大林宣彦
キャスト:原田知世、高柳良一、尾美としのり、根岸季衣、岸部一徳

【作品内容】

高校1年生の芳山和子(原田知世)はある日、理科室でラベンダーの香りの煙を吸い込み気を失う。それから不思議な体験をするようになり、自分の戻りたい過去に戻れるという、テレポーテーションとタイムトラベルが組み合わされた「タイムリープ」の能力を持つようになるのだが…。

筒井康隆原作のヤングアダルト向けSF小説を、映画『転校生』(1982)を成功に導き、飛ぶ鳥を落とす勢いだった大林宣彦が映画化。大林による「尾道三部作」の二作目であり、多くのシーンが広島県尾道市で撮られている。

【注目ポイント】

本作は、タイムリープを題材とした数少ない作品の一つ。当時松任谷由実の主題歌と共に大ヒットして原田知世の人気を不動のものとしただけではなく、2006年には細田守監督によりアニメ作品としてリメイクされ、再びヒットしている。

タイムリープは一般的に「自分自身の意識のみが時空を移動し、過去や未来の自分の身体にその意識が乗り移る」という意味で、自分自身が意識・身体とも時空を移動することを意味する「タイムトラベル」とは異なるものとされている。

理科室でラベンダーの香りを発する薬品を嗅いだことでタイムリープ能力を得た主人公・和子は、タイムリープを繰り返すことで「身のまわりに起こる不可思議な事件」を解決していく。

1997年には主演・中本奈奈&角川春樹監督のコンビで再映画化、2006年には細田守監督によってアニメ映画化。日本で最も愛されているSF作品と言っても過言ではない本作の魅力は、少女が時間の迷宮をさまよう姿を描くことで、二度と戻れない青春時代のかけがえのなさが浮き彫りにされていく点にある。

永遠に大人になりたくない。青春の日々を謳歌していたい。誰もが一度は心に思い描いたことがあるだろう。優れたSF作品は人の夢や無意識を巧みに具現化することで観る者の心を掴むが、本作も例外ではない。アニメ版も素晴らしいが、当時14歳の原田知世の青春がギュッと詰まった本作の輝きに優るものはないだろう。

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