『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)
「失礼した。さっきの勝負で、死にかけた」
映画『007/カジノ・ロワイヤル』は、シリーズで最も巧みな脚本内容と、俳優陣のシャープな演技力が光る作品で、ボンドの賢く魅力的でウィットの効いた台詞が、作品全体に浸透している。
ポーカーゲームの途中、テロ組織のお金の資金洗浄を行う数学の天才であるル・シッフルの恋人ヴァレンカにより、酒に毒を入れられてボンドは死にかける。この台詞は、本作のボンドガールであるヴェスパーの助けにより死の淵から蘇ったボンドが、ポーカーテーブルに戻り、ル・シッフルに対し嫌みを込めて言う台詞だ。
死という危機に追いやられたボンドがあっさりと復活し、何事もなかったかのようにテーブルに戻る姿は、俳優ダニエル・クレイグ演じる新生ボンドのクールさが伺えるシーンになった。