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ストーリーの核となるのはプラトンの「洞窟の比喩」

レベッカファーガソンのサイロはApple TV+で配信中

『マトリックス』では、本物の人間が住む、最後の町“ザイオン”が登場する。一方『サイロ』では、カタストロフを生き残った人類が集う地下コミュニティ“サイロ”が“ザイオン”と同じ機能を果たしている。ザイオンと同様、サイロの歴史は謎に包まれており、真の起源については未だ明らかにされていない。

上記のような表面的な共通点だけでなく、ドラマ『サイロ』の内容は、映画『マトリックス』のストーリーの核にある、とある哲学的な寓話をも想起させる。

その哲学的寓話とは、プラトンの「洞窟の比喩」である。洞窟に閉じ込められた人々が目にするのは「実体」ではなく、その「影」であるが、彼らは外の世界を知らないため、「影」を「実体」だと思い込んでいる。古代ギリシャの哲学者・プラトンは、上記の例え話で、知覚と現実の本質を問うた。

この哲学を取り入れた映画『マトリックス』は、仮想シミュレーションの中で生きる者たちが、現実の本質に気づくことができず、機械が作成する欺瞞の影しか見ていないことを明らかにする。ドラマ『サイロ』も同様に、地下文明の中心地の市民が、外界は安全ではないという幻想に盲目的に従う様子が描かれている。

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