大島弓子の同名漫画を実写化
猫と人間が織りなす癒しと愛の人間模様
『グーグーだって猫である』(2008)
監督:犬童一心
脚本:犬童一心
出演者:小泉今日子、上野樹里、加瀬亮
【作品内容】
吉祥寺在住の売れっ子漫画家・麻子。多くのアシスタントに囲まれ、締め切りに追われる麻子だったが、愛猫のサバが死んでしまい、そのショックで漫画が描けなくなる。
そんなある日、麻子はペットショップでアメリカンショートヘアの子猫を発見。グーグーと名付けて一緒に暮らし始め、次第に元気を回復していく。
【注目ポイント】
「猫好きの、猫好きによる、猫好きのための映画ー。」本作を見ていると、そんな言葉が頭をよぎる。
本作は、少女漫画界の巨匠・大島弓子の同名エッセイ漫画を実写化した作品。監督は『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心で、音楽は細野晴臣が担当。主人公・麻子は小泉今日子が演じる。
本作の注目は、なんといっても「猫」の描写だろう。本作では撮影時に「猫待ち」があったほどで、彼らの自然な表情がカメラに記録されている。
しかし、本作の場合、愛猫の死や主人公・麻子の卵巣がんなど、重いエピソードが挿入されており、「生き物の生と死」について考えさせられる構成になっているのも特徴である。
また、舞台である吉祥寺の風景も印象的。特に、ハモニカ横丁や井の頭公園の風景は、永遠に見ていられる映像に仕上がっている。猫好きなら一度は見たい癒しの一本である。