生きる意味を見出す
真木よう子の恍惚
真木よう子『べロニカは死ぬことにした』
原作:パウロ・コエーリョ
監督:堀江慶
脚本:筒井ともみ
出演:真木よう子、イ・ワン、市村正親
【作品内容】
退屈な人生に嫌気がさし、自殺を図ったトワ(真木よう子)。一命をとりとめ、目が覚めた彼女がいたのは、社会から隔離された風変わりなサナトリウム(長期的な療養を必要とする患者なのための療養所)だった。
自殺のダメージにより、余命10日と告げられたトワだったが、患者たちとの出会いで生きる希望を見出していく。
原作は世界120カ国以上で翻訳された人気作家パウロ・コエーリョの同名小説で、監督は「渋谷怪談」などで知られる堀江慶。真木よう子のほかに韓国の若手俳優イ・ワン、市村正親などが出演した。
【注目ポイント】
なんと言っても、注目は本作で激しい濡れ場を演じた真木よう子だろう。
自暴自棄になっていたトワだが、風変わりな患者や院長、そして同じ患者で精神を病んで口がきけなくなった青年クロード(イ・ワン)を通し、生きる目的を見出していく。
あるときトワは女性患者から、「みずからを受け入れ、幸福を感じるためには性的快楽を感じるといい」と説かれる。そんなトワは物語終盤、惹かれていたクロードに恋人になってほしいと頼み、月光が指す部屋で自慰行為を始める。
クロードがじっと見つめるなか、トワはピアノにもたれかかり、乳房をあらわにしながらみずから股間をまさぐるのだ。そして、鍵盤のダーンという音とともに激しい絶頂を迎える。
真木よう子の裸体と汗が月光に照らされた姿に、神々しさすら感じるシーンだ。トワは生きる意味を完全に見出し、その後、クロードら病院のメンバーと祝祭のごとくパーティーに興じる。
夜が明け、クロードと病院を抜け出したトワは、海辺でついに彼と結ばれた。このシーンでは真木よう子の顔だけをカメラは写す。身体は映らないが、表情だけで快楽や喜びを表現する彼女の演技力に脱帽せざるを得ない。
【関連記事】
「絶対に子供と観ちゃダメ!」 21世紀最高のR指定コメディ映画10選。えげつないシーン盛り沢山…。笑える問題作をセレクト
実写化に不満爆発…!? 原作者を激怒させたと噂の日本映画5選。物語の改変に不本意なキャスティング…。物議を醸した邦画たち
「死ぬほどつまらない…」芸能人が監督した映画ワースト5選。天は二物を与えず…。才能が空回りした残念な作品をセレクト