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中身のなさに酷評が集まるも山田涼介の芝居には一見の価値あり

『大怪獣のあとしまつ』(2022)


出典:Amazon

上映時間:115分
製作国:日本
監督・脚本:三木聡
配給:松竹、東映
キャスト:山田涼介(Hey!Say!JUMP)、土屋太鳳、濱田岳、眞島秀和、ふせえり、六角精児、矢柴俊博、二階堂ふみ、染谷将太、松重豊、オダギリジョー、西田敏行、嶋田久作、MEGUMI、笹野高史、有薗芳記、SUMIRE、笠兼三、岩松了、田中要次、銀粉蝶

【作品内容】

地上で暴れまわり、日本中を恐怖に陥れた大怪獣が突然死んだ。安堵する国民だったが、残された死体は徐々に腐敗し、ガス爆発を起こす寸前だった。そんな中、大怪獣の死体処理を頼まれた特殊部隊の帯刀アラタ(山田涼介)とその仲間たちは、命をかけて任務にあたる。

【注目ポイント】

土屋太鳳
土屋太鳳Getty Images

幼少期に怪獣が登場するヒーローものを見てきた者であれば、一度はこんな疑問を持ったことはあるのではないだろうか。「あの死んだ怪獣、その後どうなっただろう…」と。

本作は、そんな素朴な疑問を真正面から描いた作品だ。人間たちを恐怖のどん底に陥れた怪獣が突然、原因不明のまま死んでしまう場面から物語は始まる。

人間たちは歓喜に沸き、政府は怪獣の死体に「希望」と名付けるなど国全体が安堵に浸る一方、川に横たわった怪獣の死体は腐敗が進み、温度の上昇とともに膨張し、ガス爆発の危機が迫っていることが判明する。

仮に爆発すれば、漏出したガスによって汚染物質が飛び散るという事態に国民はパニックに陥る。しかし、首相や大臣ら政府は不毛な議論を重ね、右往左往を繰り返すばかりだ。

怪獣の死体処理というミッションを任されたのは、「特務隊」の隊員である帯刀アラタ(山田涼介)。そして、この死体処理ミッションには環境大臣の秘書官として、アラタの元恋人である雨音ユキノ(土屋太鳳)も関わり、爆破処理のプロ・ブルース(オダギリジョー)や、ユキノの夫で総理秘書官の正彦(濱田岳)、未曾有の事態に翻弄される総理大臣・西大立目完(西田敏行)らの思惑をコメディータッチで描き出すドラマだ。

つまり、本作は「怪獣映画」ではないのだ。

そのタイトルから興味を持った“ガチ”の怪獣ファンを中心に猛バッシングを浴びてしまったのも、タイトルのみならず、巨大怪獣を前面に押し出したティザービジュアルに“騙された!”と感じさせてしまうのも致し方なかろう。

しかしながら、本作は、松竹と東映の2大映画会社が手を組み、超一流キャストを揃え、怪獣をテーマに大真面目にコメディーに振り切った“オトナの悪ふざけ”を作り上げた意欲作でもあるのだ。

山田涼介演じるアラタは、呪文を唱えながらスマホを空高く掲げ、心中するが如く、光とともに怪獣を引き連れて消えていくラストシーンは掛け値なしに格好いい。

「怪獣映画」というジャンルがあるのだとすれば、日本はハリウッドよりも先んじており、逆をいえばハリウッド発の怪獣映画は、過去の日本の特撮映画からイマジネーションを得ている。つまり、全ての怪獣映画は“メイドインジャパン”といっても過言ではないのだ。

そこに、日本独特の社会背景や政府の愚策ぶりが描かれ、邦画ならではの世界観を醸し出している。

しかし、“大爆死”のレッテルを貼られ、興行収入も5億円に届かなかった作品だ。その理由としては、鑑賞する者のニーズを完全に見誤ったこと、そして、コロナ禍での上映だったことも少なからず影響しているだろう。

本作で主人公を演じた山田涼介が、この作品で評価を落としたのかといえば、否だ。

テレビドラマ『王様に捧ぐ薬指』でも、ツンデレの若社長役を好演している山田。この俳優にはやはり、少しキザな役回りが似合っているようだ。

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