「生きなければいけないと思わされた」注目の若手俳優・佐々木詩音が愛する映画5選。【私の人生を変えた珠玉の映画たち】
text by 福田桃奈
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、ぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞した『オーファンズ・ブルース』や、主演を務めた『裸足で鳴らしてみせろ』で高崎映画祭最優秀新進俳優賞を受賞するなど、今後の活躍に期待が高まる俳優の佐々木詩音さん。そんな彼の心を震わせた至極の5本とは?
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【佐々木詩音プロフィール】
1995年生まれ、大阪府出身。京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)に入学後、2016年『DRILL AND MESSY』(吉川鮎太監督)ではPFFアワードでホリプロ・エンターテイメント賞受賞。2018年には卒業製作である『オーファンズ・ブルース』(工藤梨穂監督)でPFFグランプリを受賞。2021年PFFスカラシップ作品『裸足で鳴らしてみせろ』で主演を務め、第36回高崎映画祭にて最優秀新進俳優賞を受賞する。その後、『窓辺にて』(今泉力哉監督)や、『CHAIN』(福島芳穂監督)に出演するなど活躍を続ける。最新作に『凪の憂鬱』(磯部鉄平監督)が公開中。
「自分の生き方と通じる部分がある」
スタジオジブリ史上屈指の問題作
『もののけ姫』(1997)
「最初に観たのは、物心ついた頃だったと思います。ジブリ映画全般好きなんですけど、その理由は主人公が悪とされるものを悪として扱うのではなく、理解しようとする。そういうところはジブリ映画に共通する部分が多く、僕の生き方と通じる部分がある気がします。
この作品は戦争を描いているわけですが、主人公のアシタカは、対立する陣営を垣根なく飛び越えて、和解させるために奔走する。そこが凄くいいなと思います。
人や人間以外の生き物、物事への深い愛を表現していて、義務教育でジブリ映画を観せればいいのにと思うくらいです」
―――対立する文化を和解させようとする。ジブリ映画で最も難しいテーマを描いた作品での一つですよね。
「そこに対して嘘を付いてない映画だと思います。完全には解決しないけど、ちょっとだけ希望が見えるというところがとても好きです。
現実の世界でも戦争は起こっており、それを完全に無くすこと不可能でも、減らすことや理解することは出来るのかなと観るたびに思わせられるので、素敵な映画だなと思います」