早熟の天才リヴァー・フェニックスの儚い雰囲気に惹かれる
『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)
―――リヴァー・フェニックスは若くして亡くなられた俳優です。この作品も役者の色気が剥き出しに映っている感じがします。
「これも早熟の天才というか…。演じているはずなのに、演じてないように映る瞬間や、『これ、本当にやってんじゃないの?』と思うような、危なげな感じまで映し出されていて、衝撃を受けました。
僕はそんな風に、体当たりで映画作りに向き合っている役者さんや監督、スタッフさんたちに影響を受けた部分があるので」
―――作品を創る全員の気持ちのベクトルが同じじゃないと、あんな風に映像に映らないでしょうね。佐々木さんは男の色気が漂う映画を選んでいる印象ですね。
「そうですね。『オーファンズ〜』も『裸足で〜』もそこが根源かもしれないです。男性の自分から見ても色気を感じる人や、色気を醸し出せる俳優さんが出ている映画を選んでいる可能性はあるかもしれないです」
―――それは時に自ら命を絶ってしまうような危うさも含めた色気ということですよね。
「そうですね。若くして命を絶ってしまう人だからこそ持っている儚さが、僕にはとても魅力的に映ってしまうんです」
(取材・文:福田桃奈)
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