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大胆な行動力と繊細な職人気質を併せ持つ
恋も仕事も”好き”を隠さないまっすぐさが魅力

『紅の豚』(1992)フィオ・ピッコロ

© 1992 Studio Ghibli・NN
© 1992 Studio GhibliNN

声優:岡村明美

【作品内容】

真っ赤な戦闘飛行艇“サボイア”を操る豚のポルコ・ロッソは、「紅の豚」と呼ばれ、空中海賊から恐れられているパイロット。かつては人間の姿をしていたが、自らに魔法をかけ、豚の姿になった。

人間だった頃はイタリア空軍のエースだったが、現在は空賊退治で賞金を稼ぎながら、アドリア海の小島で気ままに暮らしている。

ある日、幼馴染のジーナが営むホテル・アドリアーノを訪れたポルコは、空賊が雇った用心棒・カーチスに出会う。カーチスは、ポルコを倒すことを目論んでいた…。

【注目ポイント】

17歳のフィオ・ピッコロは、主人公であるポルコ・ロッソの幼なじみのマダム・ジーナと共に、ヒロイン的な存在。自分に魔法をかけて豚の姿となり、空中海賊(空賊)退治で賞金稼ぎをしながら暮らしているポルコを尊敬し、一途な思いを貫く健気さと天真爛漫さで人気キャラクターとなった。

かわいらしさだけではなく、飛行艇の設計技師という“リケジョ”でもあるフィオ。飛行艇を撃墜されたポルコを助けるピッコロのおやじの孫娘であり、「ピッコロ社」の今後を支える敏腕技術者でもある。

17歳の若さながら、空賊相手に啖呵を切って見せたり、ポルコへの好意をストレートに伝え、自分からキスをする素直さがある。半面、一度言い出したら聞かない頑固さも持ち合わせている。

そういった頑固さは、技術者らしく機体の設計面での細かいこだわりに垣間見える。自分を賭けたポルコとカーチスの勝負では、ポルコが本来払うはずだった飛行艇のローン金を要求するなど、商売人としての強かさも持ち合わせている。

芯がしっかりしている女性として描かれているところが、ジブリのヒロインらしく印象に残るキャラクターだ。

また、吹き替えを担当した岡村明美にとっては、フィオ役はデビュー作でもあり、その後の『プリキュア』シリーズや『ONE PIECE』シリーズでの活躍の足掛かりとなった作品でもある。

(文・寺島武志)

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