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昆虫のような見た目が大人気!
実はドーラの亡き夫の形見

『天空の城ラピュタ』(1986)フラップター

© 1986 Studio Ghibli
© 1986 Studio Ghibli

【作品内容】

舞台は19世紀のヨーロッパ。12歳の少女・シータは、政府によって捕われの身となっている。政府の目的はシータが保有する謎の青いペンダントだ。ペンダントを狙っているのは政府だけではなく、空中海賊「ドーラ一家」も同様である。

ドーラ一家は政府の飛行船を襲撃し、シータを捕らえようとする。シータは足を踏み外し、飛行船から落下してしまうが、ペンダントの力によって、地上にゆっくり舞い降りる。気を失ったシータを助けたのは、少年・パズーだった…。

【注目ポイント】

空賊ドーラ一家が使用する小型航空機。昆虫のような4枚の透明な羽根を高速で動かすことで飛行する姿が、公開から数十年経っている現在でも、斬新なフォルムとして人気が高い。低速度では、羽根を2枚動かして飛ぶ。そして、機体下部のブースターから噴射を行い、大きく加速することも可能であり、この際は、羽ばたきを一時停止。

主人公のパズーがドーラ一家と手を組み、フラップターを駆って政府の要塞からヒロインのシータを奪還するシーンは、数あるジブリ作品の中でもひときわ観客の胸を熱くするシーンとして屈指の人気を誇る。ここでも久石譲による臨場感あふれるBGMが、場面を最高に盛り上げてくれる。

『ナウシカ』のメーヴェとは特性も見た目も違うが、体重移動によって操作するという類似点もあり、操縦者の身体能力が問われるといった宮崎駿ならではのこだわりが感じられるマシンである。そういった意味では、ラストシーンにおいて、微速でフラップターを何機も操っている ドーラの息子たちの操縦技術は、半端ないものである。

ちなみに、このフラップターやドーラ一家の飛行船「タイガーモス」を開発したのは天才科学者だったドーラの亡き夫であり、詳細な構造は残されたドーラ一家も知らない。機体の構造だけでなく、そんな細やかな背景を知った上で作品を観ると、また見え方が変わるかもしれない。

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