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史上最高と称された『カリオストロの城』とはどんな映画か?

宮崎駿、ジョン・ラセター【Getty Images】
宮崎駿ジョンラセターGetty Images

モンキー・パンチこと加藤和彦が原作・作画を手掛けた漫画『ルパン三世』を基にした映画『ルパン三世 カリオストロの城』のあらすじは以下のようになっている。

大泥棒ルパン三世が、偽札の噂が絶えないカリオストロ公国へと訪れる。そこで現れる悪漢に追われる1人の少女を救出するものの、彼女は再び連れ去られる。

カリオストロ公国の大公家のひとり娘である彼女は、強引に結婚を迫る伯爵によって城に幽閉される。

そして、ルパンは、その城に潜入することを決意する…。

刑事に追われる道徳的に少しグレーな主人公に、秘宝を追うその姿勢、トラブルを抱える少女など、筋書きだけを見れば、なんら変哲のない冒険小説とも言える。

しかし、作中には、真っ青な空、緑豊かな野原など、リアルに自然を表現する宮崎駿のトレードマークも多く含まれている。その緻密な芸術性により完成する映像も感動させる美しさを持つ。

本作で古臭さを感じるポイントは、そのキャラクターデザインである。

しかし、決してマイナスポイントではない。それは『カリオストロの城』という1979年に公開した映画作品にレトロなプレミア感さえ持たせる。

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