従来のファンが望んでいたのは
ルーニー・マーラとダニエル・クレイグの黄金タッグだった
結果として、映画『蜘蛛の巣を払う女』のオープニング興収は800万ドル(約11億7,000万円)。国内最終興収は1,480万ドル(約21億円)。 世界興行成績は、4300万ドル(約63億円)の予算に対し、3500万ドル(51億円)となり、映画『ドラゴン・タトゥーの女』の興行収入の方が断トツで高いという結果に終わった。
この映画が爆死した理由はいくつか考えられる。1つ目は、映画『グリンチ』や映画『オーヴァーロード』と同じ週末に公開され、映画『ボヘミアン・ラプソディ』や、映画『アリー/ スター誕生』のような注目作品が登場。
さらには人気シリーズ「ファンタスティック・ビースト」第2作品目である、映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の1週間前に公開となった点だ。
2つ目は、ソニーがこの映画のマーケティングを最低限に抑えたことで、予告動画を視聴したファンが、新キャスト陣に興味を持つことができなかったという点である。
フィンチャーが続編を製作していた場合、前作と同様に、女優ルーニー・マーラのリスベットと、俳優ダニエル・クレイグのミカエルという、待望のタッグが再登場を果たすのか、2018年に公開された映画『蜘蛛の巣を払う女』より良い興行成績を収めていたか今となっては分からない。
しかし、ソニーにとっては、安直にリブートを試みるよりも、最も評価の高い映画監督の一人であるフィンチャーにその製作を任せた方が、長期的な投資としては良かったのかもしれない。
デヴィッド・フィンチャーという監督が製作する映画には、所謂、”駄作”と呼ばれる作品は存在しない。彼には多くのファンがいるものの、映画ファンは、映画批評家とは異なる。
そのため彼は、ファンの熱狂に耳を傾け過ぎず、今後の企画に集中する必要がある。
フィンチャー監督の最新作『ザ・キラー』は、Netflixで11月10日から配信される。既に本作が公開されたイタリア・ヴェネチアでは、非常に好評を博している。
しかし彼の最新作がNetflixで配信されるのは、非常に楽しみなプロジェクトではあるが、ハリウッドはビジネスであり、映画監督達は、商業的な成功を目指さなくてはいけない。
このような偉大な監督が、一度は誠実に取り組んだ、映画『ドラゴン・タトゥーの女』の続編作品を放置しているとは考え難い。もしかすると続編の製作を考えているかもしれない。
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