自らナイフで顔の皮を剥ぐ おぞましいシーンをオマージュ…!
『ハンニバル』(2001)
監督:リドリー・スコット
脚本: デヴィッド・マメット、スティーヴン・ザイリアン
出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、レイ・リオッタ、ゲイリー・オールドマン
【作品内容】
全米を恐怖に陥れた「バッファロー・ビル事件」から10年後。
ボルティモアの大富豪メイスン・ヴァージャー(ゲイリー・オールドマン)は、精神病院から脱獄したハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)の行方を追っていた。
小児愛者のメイスンはかつてレクターの治療を受けたが、昏睡させられた間に全身に深い傷を負わされていた…。
【注目ポイント】
映画『ハンニバル』に登場する、顔の皮を全て剥がされた、メイスン・ヴァージャーというキャラクターをご存知だろうか。
根っからの小児愛者であり、子供が流した涙をマティーニに入れて飲むなど、奇行で知られる人物である。映画版ではハリウッドを代表する怪優ゲイリー・オールドマンが演じた。
『ゴールデンカムイ』には、そのおぞましい顔面を完全にオマージュしたキャラクターが出てくる。それは、劇中で“のっぺらぼう”と呼ばれている人物である。
彼は、金塊を移送していた7人のアイヌのうちの1人。しかし自分以外の6人を全員殺し、網走監獄に収監されている。囚人たちの身体中に、入れ墨を掘った張本人でもある。囚人達から「顔がなかった」と噂され、上記のあだ名が付けられた。
映画『ハンニバル』には、レクター博士がメイソンに幻覚剤を飲ませ、「顔の皮を剥いでみたらどうだ」といいながら犬を放つシーンがある。メイソンは自ら顔の皮を剝ぎ、犬に食べさせるという、誰が観てもトラウマ必至の場面だ。その後、メイソンの顔面は見るに耐えないほど、修復不可能となる。
のっぺらぼうは、メイソンと性格は異なるが、自らナイフで顔の皮を剥ぐという猟奇的なエピソード(14巻136話「最後の侍」)は、『ハンニバル』をモデルにしている。
また、読み進めていくと、のっぺらぼうが、なぜこのような見た目になったのか、彼の回想シーンで明らかになる。登場人物のバックボーンがしっかり描かれているという点で、映画『ハンニバル』のメイソンよりも、のっぺらぼうの方がよりクレイジーで魅力的なキャラクターではないか。そう言い切ってしまいたくなるほど、作者・野田サトルの画力とキャラクター造形のセンスは冴えに冴えまくっている。
何はともあれ、『ゴールデンカムイ』を読んでいると、作者・野田サトルが、いかに映画から影響を受けているかが、よく分かる。言ってしまえば、「映画ファンによる映画ファンのための漫画」なのだ。
同漫画には今回紹介した映画作品以外にも多くのオマージュを捧げている。ぜひ各自の目で発見してみてほしい。
『羊たちの沈黙』
『ハンニバル』
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