『ホーム・アローン』を傑作たらしめた“笑えない要素”とは? クリスマス映画の知られざる魅力を徹底考察。製作秘話も解説
クリスマスシーズンの名作映画と言えば、俳優マコーレー・カルキン主演の映画『ホーム・アローン』だろう。カルキンのキュートさが印象的な本作だが、実は本作を名作たらしめているのは、泥棒ハリーとマーヴのスタントだという声も上がっている。今回は現地メディア米Collider を参考に、彼らのスタントについて解説する。
低予算を逆手に機転を効かせて大ヒットを記録
公開から30年が経過した名作映画『ホーム・アローン』。家族旅行に置いて行かれ、家に一人取り残された少年ケビンが、マヌケな泥棒ハリーとマーヴを撃退する物語だ。
ケビンの柔軟な発想で作られた、少年のイタズラ心を強く掻き立てる、楽しくもハラハラする作戦のもと決行される撃退劇は、クリスマスシーズンの定番として、世界のファンから愛され続けている作品となっている。
『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)や、『ナイトミュージアム』(2006)で知られるベテランコメディ監督クリス・コロンバスによる巧みな演出。そして、『ブレックファスト・クラブ』(1985)や、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)で知られる1980年代の青春映画の巨匠ジョン・ヒューズ。彼らの力により、本作では、彼らの力で90年代前半のアメリカのありのままの姿が描き出されている。
チーズピザにコーラ、どデカい家にポップコーンと大量のアイスクリーム、そして、プラスチック製のおもちゃのソリで階段を下りるというおバカな行動―。アメリカの子どもの“あるある”を詰め込んだ本作は、純粋に見ていて面白い。
この物語に使用された製作予算は、1,800万ドル(約26億円)だ。この額は、日本映画の平均的な製作予算約3.5億円と比べるとかなり高額だが、米国の映画制作費は1本当たり5,150万ドル(約75億円)と言われており、米国映画としては低予算だ。
それにも関わらず、本作は興行収入5億ドル(748億円)の大ヒットを記録。さらに、クリスマスシーズンが過ぎても上映は断続され、1990年11月16日から1991年2月1日まで、なんと12週連続で興行収入1位という快挙を達成。2011年に『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(2011)に抜かれるまで、米国内で最も興行収入が高い実写コメディ作品となった。