『ホーム・アローン』を名作たらしめた危険なスタント
つまり、本作の最大の強みは、制作者たちのドタバタ劇へのこだわりなのだ。
なお、コロンバス監督は、本作の25周年を記念し、米Entertainment Weekly誌のインタビューに応じている。
「スタントマンたちによるスタントは、到底笑えるものじゃなかった。私は、毎回、無事を祈りながら彼らのスタントを見守っていた。彼らがスタントを終えて立ち上がり、問題がないことを確認し、映像を見返してはじめて心の底から笑えたんだ。スタッフの中には大爆笑していた人もいたから、これは上手くいくだろうと確信したね」
「ハリーが階段でバックフリップをするような一見簡単そうなことでも、背骨を折ってしまったのではないかと心底心配したよ。彼らが無事だとわかるまでは何一つ笑えなかったし、面白くなかったからね」
「だから、この映画がそれが多くの観客に受け入れられることに驚いた。映画の最後の20分間、観客は笑いながら叫び声を上げていた。それは私が今まで経験したことがない経験で、とても素晴らしいものだったよ」
なお、撮影現場では、出演者たちの“コメディ愛”があまりに強く、ラストシーンの撮影は、楽しさよりも恐怖の方が大きかったという。
残念なことに、コメディ映画である本作のスタントは、あまり評価されてこなかった。しかし、観客たちの笑いの裏には、制作者が笑えないほどの危険で優れたスタントが隠されていたのである。
なお、本稿を読んで興味を持たれた方は、Netflixシリーズ『ボクらを作った映画たち』を見てほしい。シーズン1、エピソード2の『ホーム・アローン』に、スタント作業に関するさらなる舞台裏情報が公開されている。
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