中国で約533億円の特大ヒットを記録した三谷幸喜監督作品のリメイク
『トゥ・クール・トゥ・キル~殺せない殺し屋~』(2022)
上映時間:109分
オリジナル:『ザ・マジックアワー』(2008)
製作国:中国
監督・脚本:シン・ウェンション
キャスト:ウェイ・シャン・マー・リー、チェン・ミンハオ、ジョウ・ダーヨン、ホアン・ツァイルン、アレン・アイ
【作品内容】
エキストラしか仕事がない三流役者がある日、大物女優から、映画の主役に大抜擢される。与えられた役は“伝説の殺し屋”。役作りに励む主人公に思わぬ展開が待っていて…。
【注目ポイント】
本作の原作となった作品は、三谷幸喜は監督・脚本を務め、佐藤浩市、妻夫木聡、中井貴一、綾瀬はるからの豪華キャストによって製作され、2008年に公開された『ザ・マジックアワー』だ。
基本的なストーリーはギャングや殺し屋が登場するクライムサスペンスなのだが、そこは三谷作品。過去の「ヤクザ映画」へのオマージュも含め、作品全体に洒落っ気を帯びたコメディー作品に仕上がっている。興行収入も約39億円とスマッシュヒットを記録した。
この作品を、中国のシン・ウェンション監督が脚本も兼ねてリメイクした作品が、2022年に公開された『トゥ・クール・トゥ・キル~殺せない殺し屋~』だ。
製作陣やキャストは、中国で人気のコメディー集団・開心麻花(カイシンマーファー)のメンバーが名を連ね、7か月もわたるロングラン上映の末、実に興行収入約26億元(約533億円)という天文学的数字を記録。2022年の中国映画興行収入ランキングでは3位となる大ヒットとなった。
基本的なストーリーはオリジナル版を踏襲しているものの、中国らしくチャイナマフィアを登場させるなど、現地に合わせた改変がなされている。また、オリジナル版では佐藤浩市、妻夫木聡ら二枚目俳優が演じていた役を、開心麻花のメンバーである小太りのコメディアンたちが演じている点も、リメイク版の見どころとなっている。
そして本作は、日本でも“逆輸入上映”が決定。2023年7月に都内の映画館で公開され、人気を博した。