あの笑顔が頭にこびりつくホラーヒロイン
『Pearl パール』(2023)
上映時間:102分
原題:Pearl
製作国:アメリカ
監督:タイ・ウェスト
脚本:タイ・ウェスト、ミア・ゴス
キャスト:ミア・ゴス、デヴィット・コレンスウェット、マシュー・サンダーランド、エマ・ジェンキンス=プーロ
【作品内容】
タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演のホラー「X エックス」のシリーズ第2作であり、1970年代が舞台だった「X エックス」の60年前を描く前日譚となっている。
主人公パールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしていた。若くして結婚した夫は戦争へ出征中であり、パールは父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。
ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。そしてある晩、母親から「お前は一生農場から出られない」と言われたことをきっかけに、パールの抑圧されてきた狂気が暴発してしまう。
【注目ポイント】
映画『Pearl パール』では、前作『X エックス』に登場した殺人鬼である老婆パールの若き日を描いており、夢見る少女だったパールがいかにして殺人鬼へと変貌したかが明らかにされている。
そんな殺人鬼であるパールの特徴は、なんと言っても狂気に満ちた笑顔だ。キュートな顔からは想像も出来ないような、狂気に満ちた笑顔に人々は釘付けになること間違いなし。
しかしただ釘付けになるのではなく、周囲の人々は恐怖に陥ることにもなる。ただの笑顔がここまで恐いとは、流石はホラー映画界のニューヒロインであるパールである。
またパールといえば、1910年代の可愛らしくレトロな服装も特徴的だ。特にパールがオーディションで身に付けていた赤いドレスは、鮮やかな色合いの中にどこか血を連想させるような禍々しさも秘めていて、とても好奇心をくすぐられる。
溢れんばかりの狂気に満ちた笑顔、そして古き良き時代を象徴するかのようなパールの服装は、必ずや周囲の目を惹き、ハロウィンの夜の主役になれること間違いなしだ。