“男子プリキュア”登場の背景は…? 『プリキュア』に沼る社会人が増えているワケ。セーラームーンとの決定的な違いも解説
text by 唐梨
今年で20周年を迎えた『プリキュア』シリーズ。それを記念し、映画『プリキュアオールスターズF』が公開され、さらにアニメ『キボウノチカラ〜オトナプリキュア‘23〜』がNHK Eテレにて放送中だ。今回は、そんな「プリキュア」シリーズに、子ども達だけでなく、なぜ大人がハマっていくのか、その理由を徹底的に解説&考察していく。(文・唐梨)
全世代にささるプリキュアとはー。
プリキュアを見たことがない人はいても、プリキュアの名前を聞いたことがない人はあまりいないのではないだろうか。それもそのはず、今年でシリーズ20作品目であり、2004年から20年に渡って日曜朝8時30分の枠で放送され続けているからである。
作品ごとに登場人物も世界観も毎回一新されるものの、ストーリーの大まかな枠組みとしては「普通の中学生の女の子が、ひょんなことからプリキュアとして選ばれ、平和のために敵と戦う」という筋書きである。
しかしながらここがミソで、便宜的に「中学生の女の子」と書いたものの、シリーズを経ていくごとにその設定はますます広がりを見せている。
高校生や小学生、さらには異世界人や妖精もプリキュアに変身していき、ついに今年は初の男の子プリキュアまで誕生することとなった。実はここにプリキュアが人を惹きつけてやまないヒントが隠されているのだが、それについては後述することとする。
そんな長い歴史を誇るプリキュアの人数は、映画などのゲスト的なプリキュアを除くと、現時点で総勢78人に渡る。
何をもって人気シリーズとみなすかの指標には様々な切り口があるが、この人数は、プリキュアがどれだけ愛され続けているかの一つの証拠といって差し支えないだろう。
20年の歴史の中で、本来の対象年齢である幼い女の子のみならず、大人の女性や男性にもファン層を広げている。