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日本人の10人に1人が見た…世界映画史のマスターピース

『ゴジラ』(1954)


出典:Amazon

上映時間:97分
監督:本多猪四郎
原作:香山滋
脚本:村田武雄、本多猪四郎
キャスト:宝田明、河内桃子、平田昭彦、志村喬

【作品内容】

1954年8月13日、太平洋を航行中の貨物船・栄光丸が襲われ、船はたちまち転覆。海上保安庁から別の貨物船が遭難現場に向かうが、その船も行方不明になる。やがて付近で漁をしていた船が生存者3名を救助する。

彼らは漁師に「海が爆発した」と告げる。しかし、その漁船までもが行方不明となってしまう。古代生物学者の山根恭平博士(志村喬)や助手で娘の恵美子(河内桃子)、その恋人で「南海サルベージ」の所長・尾形秀人(宝田明)らで結成された調査団が事件現場近くの大戸島に派遣されるが、やがて彼らの前に怪獣が姿を現す。

【注目ポイント】

映画『ゴジラ』の劇中写真
映画ゴジラの劇中写真Getty Images

日本の怪獣映画の元祖にして、その後70年にもわたる特撮映画の金字塔。現在公開中の『ゴジラ-1.0』はゴジラシリーズとしては37作目で、国産の実写作品としては30作目。『シン・ゴジラ』以来7年ぶりに製作され、“ゴジラ生誕70周年記念作品”と位置付けられている。

観客動員数は実に961万人。当時の日本人の10人に1人が本作を見た計算だ。経営難一歩手前だった東宝を一気に立て直したともいわれている。

公開当初、国内の映画メディアからは同作を“ゲテモノ”“キワモノ”と酷評されたが、映画界以外の小説家や漫画家などからは絶賛され、さらに海外で高評価を得たことで、国内でも認められるに至った。

欧米で認められたことで国内で再評価されるという現象の走りといっていいだろう。特撮の世界で十分な実績があった円谷英二の名前も全世界に知れ渡ったのも、「怪獣映画」というジャンルが生まれたのも、この作品のヒットが端緒となっている。

まさしく、歴史はここから始まったのである。

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