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知られざる『ゴジラ』のモデルとは…? 世界の映画人に与えた影響を解説。日本の怪獣映画の魅力と歴史を考察【シネマの遺伝子】

text by 司馬宙

山崎貴監督による最新作『ゴジラ-1.0』で生誕70周年を迎えるゴジラ。円谷英二や本多猪四郎といった才能たちが生み出したこのキャラクターは、今や国境を超え世界中で親しまれている。今回は、ゴジラをはじめとする日本発の”KAIJU(怪獣)”文化を特集。世界を虜にした怪獣たちの誕生から世界輸出まで、その知られざる魅力に迫る。(文・司馬宙)

東洋の”怪獣” vs 西欧の”モンスター”

映画『ゴジラ』の劇中写真
ゴジラ1954年の劇中写真Getty Images

海外のファンは、日本の“怪獣”と自国の“モンスター”との差別化を図るため、親しみを込めて”KAIJU”と呼ぶ。”怪獣”と”モンスター”には、具体的にどのような違いがあるのかについて述べておこう。

まず、”モンスター”は、ラテン語の「monere(警告する)」が語源となっている通り、元々は未来に起こる厄災を予言する不吉なものとして捉えられていた。一方、”怪獣”は、神話を集めた中国の書物『山海経』に登場する言葉で、元々は妖怪や神々を表す言葉だった。

また、サイズに関しても、”モンスター”が人間サイズの狼男やドラキュラから12m~15m程度のキングコングまで包摂するのに対して、”怪獣”の場合は50m級のものが多く、とにかくデカいというのも”怪獣”の特徴だろう(ただ、この定義は、ウルトラ怪獣の登場により覆される)。

そういった意味で、”モンスター”は世界の外部からやってきた人類の敵であり、”怪獣”はゴジラのように、人類が鎮めて祀るべき畏敬の対象と言うことができる。

例えるならば、“モンスター”が現実の犯罪者やテロリストであるとすれば、”怪獣”は人間にはどうすることもできない超自然的な災害なのだ。

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