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社会現象連発! 伏線回収に鳥肌…史上最高の考察系ドラマ5選。近年を代表するサスペンス・ミステリーの名作をセレクト

text by 寺島武志

近年、SNS普及の影響もあり、ドラマ作品の“考察ブーム”が囁かれる。考察要素を持つドラマ作品は、その世界観に視聴者を引き込み、時として、世間を席巻するほどの反響を得ることもある。今回は、考察要素の高い民放ドラマ作品を5本セレクト。一気見したくなるに違いない名作を厳選してその魅力をご紹介する。(文・寺島武志)

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近年の”考察ブーム”の火付け役
仕掛け人はあの秋元康

『あなたの番です』

田中圭【Getty Images】
田中圭Getty Images

放送期間:2019年4月14日~9月8日
放送時間:日曜22:30~23:25
放送局:日本テレビ系
企画・原案:秋元康
脚本:福原充則
最高視聴率:19.4%
キャスト:原田知世、田中圭、西野七瀬、横浜流星、浅香航大、奈緒、山田真歩、三倉佳奈、袴田吉彦、片桐仁、野間口徹、林泰文、片岡礼子、筧美和子、田中哲司、竹中直人、安藤政信、木村多江、生瀬勝久

【作品内容】

マンション「キウンクエ蔵前」に引っ越してきた新婚夫婦の菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)。マイホームを手に入れ、幸せな暮らしが待っている、はずだった…。

菜奈が参加したマンション住民会で、ひょんなことから、殺したい人の名前を紙に書き、クジのように引く「交換殺人ゲーム」が行われる。ただのゲームだし、と菜奈は思っていたが、この住民会をきっかけに、恐ろしい殺人ゲームが幕を開けることに…。

異例ともいえる、2クール(半年)にわたって放送され、第1章のキャッチコピーは「毎週、死にます。」、「特別編」を挟んで放送され、「反撃編」と銘打った第2章のキャッチコピーは「殺(や)られる前に暴いてやる。」。

本作の好評を受け、2021年に劇場版が公開。こちらは、「『交換殺人ゲーム』が起きていないパラレルワールドの世界」という設定で、菜奈&翔太夫妻のウェンディングパーティーが行われた豪華客船を舞台に、次々と事件が起こる…という内容だ。

【注目ポイント】

ゲスト出演も含めると30人を超えるキャストが出演し、「キウンクエ蔵前」に住む人々の濃密なキャラクターとそれぞれの秘密が次々と露見していき、連続殺人の謎が回を追う毎に複雑化していくストーリーに、視聴者は熱狂。SNS上で考察合戦が飛び交う、それまでの常識を覆す形での盛り上がりを見せ、令和に誕生した“考察系ドラマ”の走りといえる作品となった。

こうしたスタイルのドラマは、リアルタイム視聴が主となるが、配信サービスも充実し、追っかけ視聴が定着しつつあった中で、あえてそこに挑戦した。

ライブ感に飢えていた人々は、ドラマの中で繰り広げられる殺人ゲームに、SNSを通じて、あたかも“参加”しているかのような感覚を芽生えさせ、キャストとともに謎解きをする、新たなドラマの楽しみ方を提示したのだ。

本作を企画したのは、あの秋元康。時代を敏感に読み取り、それを消費行動に落とし込むことにかけては肩を並べる者はいない。さすがの企画力・発想力・実行力を見せ付けたといえそうだ。

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