第4位 ティモシー・ダルトン
出演作品:『007/リビング・デイライツ』(1987)、『007/消されたライセンス』(1989)
ボンド役を熱望していたティモシー・ダルドンだが、実際に起用されたのは『007/リビング・デイライツ』と『007/消されたライセンス』の2作品のみであった。
周知のとおりダルトンは、大胆でバランスの良い現代的なボンドを好演。ユーモアに溢れた軽快なショーン・コネリー版ボンドや、ジョークやギャグを放つロジャー・ムーア版ボンドとは異なる、敵対心と派手なアクションに溢れたボンド像を確立した。
ダルトン版のボンドでは、登場人物たちが直面する危険でスリリングな場面をより強調するために、ダークな雰囲気が作品のありとあらゆる部分に散りばめられており、より現実的な作品へと変貌を遂げている。
ダルトン版のボンドを史上最高のボンドと言うファンは少ないだろう。しかし、それは過小評価だ。何より、彼が築いたボンド像を土台として、絶大な人気を誇るダニエル・クレイグ版ボンドが誕生したのだから。