第2位 ダニエル・クレイグ
出演作品:『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)、『007/慰めの報酬』(2008)、『007 / スカイフォール』(2012)、『007 スペクター』(2015)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)
60年以上の長きに渡り多くのファンの支持を集める『007』シリーズ。その成功に大きく貢献した俳優こそ、ダニエル・クレイグだ。
クレイグが初めてボンドを演じたのは2006年。『ボーン・アイデンティティー』(2002)や『ミッション:インポッシブル』(1996)などのアクション・スパイ映画が台頭していた時代だった。そんな時代に登場した「金髪」のボンドに、当初『007』ファンは反発。中には、クレイグの演技力不足を疑うファンも少なくなかった。
しかし、若い観客は、冷酷さと闘争心を併せ持つ現代的なクレイグ版ボンドをすぐに受け入れた。結果としてクレイグは、15年という長期間の間に『007』5作品で活躍。2021年公開の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、最も魅力的なボンドを観客の目に焼き付け、シリーズを去った。
特に言及したいのは、映画『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)と映画『007 / スカイフォール』(2012)。この2作品は、クレイグ生来の無骨な生々しさに、歴代ボンドへのさりげないオマージュが織り交ぜられ、『007』シリーズが生み出した最高傑作のひとつに数えられる名作となった。
クレイグ版ボンドを経て、シリーズは超大作映画へと成長。アカデミー賞でも高い評価を得るようになった。