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人生の真理を突いた格言

「皆”何か”に背中を押されて地獄に足を突っ込むんだ。大抵その”何か”は自分の意志じゃない。他人や環境に強制されて仕方なくだ」

2015年実写版『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』のポスター写真の一部
2015年実写版進撃の巨人 ATTACK ON TITANのポスター写真の一部Getty Images

これは、壁の外にあった敵国「マーレ」に負傷兵として潜入したエレンが、現地の少年ファルコに対して言ったセリフだ。

マーレでは自国の「エルディア人(巨人化能力を持つ人種)」に対し、国の為に戦争に行く事を栄誉と教えていた。

ファルコはそんな洗脳教育に疑問を持っていたが、周囲の同調圧力に逆らうことも、片思いの少女であるガビが戦士になる事も止められず、悩んでいたのだ。

エレンはそんなファルコに自分の負傷を見せながら、「こんな事になるなんて知っていれば、誰も戦場になんか行かないだろう」と言って、ファルコの考えに共感する。

これは「人はなぜ戦争に行くのか?」という疑問に、見事に答えた名言と言えるだろう。

大半の人間にとって「戦争には行きたくない」という本心があるだろう。それでも、これまで多くの人員が戦争に送られてきた歴史がある。

それは、その人のいる環境がそう誘導して来たからに他ならない。周囲の流れに身を任せているうちに、いつの間にか殺し殺される地獄に踏み込んでいくのだ。

視聴者も、他の人と意見が食い違った時に、「みんなが言うならそれが正しいだろう」と自分の意見を引っ込めた経験をしたことはあるのではないだろうか。

大勢の言葉だからと盲目的に信じてしまうと、思わぬ危険に直面する事になるかもしれない。そうなったとき、きっと自分の意志を貫けばよかったと後悔する事だろう。

また、エレンはこの後「自分で自分の背中を押した奴の見る景色は違う」とも語っている。

エレンはかつて、自由に憧れて壁の外を目指したが、その結果直面したのは、外に居た人間たちとのさらなる戦いだった。

例えどんなに悲惨な結末でも、自分の決断の結果であれば、受け入れるしかない。そんなエレンの覚悟と実感が、このセリフに籠っていたのだろう。

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