ホーム » 投稿 » インタビュー » 日本映画 » 本編より面白い!? 史上最高の予告編は?「架空の映画予告編」の監督chavoが選ぶ珠玉の予告編5選。制作の舞台裏も紹介 » Page 3

キャッチコピーが心に刺さる…
本編の物語を凝縮した”参考書”

『もののけ姫』(1997)の予告編

© 1997 Studio Ghibli・ND
© 1997 Studio GhibliND

製作国:日本
上映時間:133分
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
キャスト:松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦

——2本目は、スタジオジブリの超大作『もののけ姫』です。

これに関しては、ジブリの広告戦略の妙ですね。『もののけ姫』が上映された当時僕は小学生だったんですが、最後に、ダイダラボッチが立ち上がる映像に糸井重里さんの「生きろ。」というキャッチコピーがオーバーラップして、とても印象に残っていました。

あと、予告編自体もすごく分かりやすいですよね。『もののけ姫』は物語がとても複雑なんですが、全体の流れがとてもコンパクトにまとまっています。しかも作品全体の世界観も予告編に凝縮されている。この予告編で「予習」したかどうかで、作品の理解度が変わってくるかなと思いました。

ちなみに私の予告編の場合もキャッチコピーは重要な要素です。キャッチコピーをいかに盛り込むかで再生回数が大きく変わってきますので、試行錯誤しながら考えています。

——確かにキャッチコピーは大事ですよね。ちなみにジブリの広告戦略といえば、最新作となる『君たちはどう生きるか』(2023)ではキャッチコピーはおろか予告編すら作られませんでした。

凄いですよね。何度でも使える手ではないですが、広告のシステムを見事に逆手に取っていると思いました。予告編があくまで映画に誘導するためのツールであることを考えると「上映しないこと自体が予告編」であるというか。

——そうですね。だからこそ、単なるツールではなく作品として予告編を作っているchavoさんの取り組みが際立つのかなと改めて思いました。

1 2 3 4 5 6
error: Content is protected !!