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予告編がひとつの作品—
ネタバレ上等の感動作

『パパが遺した物語』(2015)の予告編

主演のラッセル・クロウ
主演のラッセルクロウGetty Images

製作国:アメリカ合衆国、イタリア
上映時間:116分
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
脚本:ブラッド・デッシュ
キャスト:ラッセル・クロウ、アマンダ・セイフライド、アーロン・ポール、ダイアン・クルーガー

——続いては、ラッセル・クロウ主演の『パパが遺した物語』ですね。自ら起こした事故で妻を亡くした小説家と、その面影を追って生きる娘の葛藤を描いた感動の物語です。

この予告編は、もう本当に泣けるというか、一つの作品として完成されてますよね。

特に、中盤でカーペンターズの名曲「Close To You」が流れるところなんかは涙が止まりません。

——しかも、この予告編はほとんど本編のネタバレになっているというか…。

そうなんですよ。以前、お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんが、購買に慎重な読者にも著作を買ってもらう目的で販売前に著作や絵本をネット上で無料公開したんですが、それに近いかもしれませんね。エンタメがありふれた今の時代はとにかく選んでもらうことが重要なので、どこまでネタバレするかというのも戦略の一つなのかもしれません。

——ただここまでネタバレしてしまうと予告編だけで本編を観た気になってしまう人も良そうですね(笑)。ちなみに、予告編のクライマックスで曲を流すという予告編の作り方は、chavoさんの『さよならバタフライ』にも見られますね。

そうですね。『さよならバタフライ』は、この映画のテンションで製作しました。ただ、長編だとサビ(感動する山場)をたくさん盛り込めるんですが、予告編だと時間が限られた中にサビを詰め込まなければならないので、かなり難しかった覚えがあります。

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