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いつでも少年の感覚を思い出させてくれる名作映画

『スタンド・バイ・ミー』(1986)

かもめんたる・う大
写真Wakaco

ーーー次は、王道がきましたね。

「小学校3~4年生ぐらいに初めて見て、 リバー・フェニックスかっこいいなとか、純粋に思っていました」

ーーー彼が今も生きていたら…などとも思える作品ですよね。

「そうですね。映画の内容ももちろん好きなんですけど、なんかその、アメリカの広大な大地や、カルチャー、感じられる匂い。うん、アメリカへの憧れの代名詞的な映画とも言えますね」

ーーー主題歌も含め、雰囲気を味わいたい的な。

「そうなんです。自分がアメリカに生まれていないから、感じられなかった感覚なんだろうなと今になってなおさら思うんで、 純粋に憧れの風景ですね。遠く離れたところには、こういう国が存在していて、日本とは景色が全然違うという世界を初めて見せつけてくれた作品です」

ーーー主人公・ゴーディと仲間たちの関係がまた良いですよね。

「ええ。例えば、当時の僕の友達を見回しても雰囲気が全然違うし(笑)、不思議な世界にしか見えなかったんですよね。子供の僕にとっては。そして、死体を探すという冒険にも、ワクワクしたわけです。異世界だとは思いつつも、コーディ目線で、物語を観ていたかなあ」

ーーーう大さんは現在、父親でもあるわけですが、今見返すと、コーディの親目線になっていたりはしますか?

「う~ん、それはないですかね。相変わらず少年の心目線で。近所のバーで飲んでいた時に、たまたまこの作品の映像が流れていたのですが、思わず見入ってしまいましたし」

ーーーお酒飲みながら、少年の心で。

「はい(笑)。でも、最初に見た時から数十年経って思ったのですが、久々にたまたまその場で観れたのも、何かの縁かなと。なんか、映画って、巡り合わせみたいなものだと思うんですよね。というったのタイミングで観るかで、感動のポイントも違うと思うし。

ーーー初見でも、再度観る時でも、ありますよね、そういうタイミング。

「それで思い出したのが、僕が子供のころには、街にレンタルビデオの個人店があって、店頭に『プラトーン』のパネルが置いてあったりして、ああ、これ観てみようと思い、衝動的に借りたりね。

そういう風景ってよかったなあと。変な怖い映画のポスターも、通学路に貼ってあったりして(笑)。でも、そういったポスターだったり、レンタルビデオ店に置いてあるビデオひとつとっても、一枚の絵が飾ってあるような感覚だったんですよ。

劇場以外で映画を観るといったら今はネットが主流なのでしょうがないんですけど、そういう文化が廃れていっているのは寂しいですね」

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