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実はバランサーとしてピリリと効いていた

技能賞:空気階段・鈴木もぐら

ドラマ『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』公式インスタグラム
出典ドラマゼイチョー~払えないにはワケがある~公式インスタグラム

 

技能賞は『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ)に出演している空気階段・鈴木もぐらに贈りたい。

税金の滞納者に税を取り立てる徴税課で行う業務を描く本作で、もぐらは徴税吏員の1人を演じている。

税金というやや堅めのテーマを扱う作品ながら、毎話様々なバックグラウンドを抱えた人物が登場し、彼らに寄り添いながら納税できる環境を作っていく温かさも兼ね備えている。

そもそも「徴税吏員」という言葉にも耳馴染がないし、そのほかにも難しい言葉がたくさん出てくる。だからだろう、納税課で働く面々のやりとりは比較的フランクだ。特に饗庭蒼一郎を演じる菊池風磨は、バラエティ番組でも見ているかのごとくギャグに全振りしている場面がある。

人によってはあまりのハイテンションを「受け付けない」と感じている人もいるだろうが、これが作品の緩急にもなっているともいえる。

そして、菊池が必要以上に浮きすぎないように緩衝材のような役割を果たしているのがもぐらだ。他の徴税吏員たちが冷ややかな目で饗庭を見つめるときの受け皿になる。

もぐらは2021年のキングオブコントで優勝しテレビの露出が増えたが、注目を集めた理由のひとつに約900万円の借金を抱える“クズ芸人”としての側面があった。世間からもそのキャラクターで定着しているもぐらが、今回は市民から嫌われてしまう税金の取り立てを行う役を任された。

人気者で借金を背負っていたもぐらと、市民から嫌われる徴税吏員・加茂原。この絶妙な采配を断行した『ゼイチョー』のスタッフには膝を打つ。

もぐらの風貌、本人がメディアの前で見せるキャラクターと地続きのような加茂原役が絶妙に混ざり合う。作品にとって不可欠な存在と言えるだろう。

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