12「一度会ったことは忘れないものさ 思い出せないだけで。」
銭婆『千と千尋の神隠し』(2001)
映画『千と千尋の神隠し』は、スタジオジブリを代表する映画作品のひとつ。
奇妙なトンネルを抜け、不思議な世界から元の世界に帰れなくなってしまった少女の千尋。彼女は自分自身と豚に変えられてしまった両親を現実世界に帰す方法を見つけるため銭湯”油屋”で働き始める。
『千と千尋の神隠し』の物語において”名前”と”記憶”という2つのキーワードは非常に重要な役割を果たす。銭湯”油屋”の支配者である湯婆婆は油屋で働くものたちを支配するためにその名前を奪う。湯婆婆の双子の妹である銭婆は、千尋の探求心を奮い立たせ、本当の自分の名前を思い出し、ハクのように名前を思い出せない人たちを助けるよう後押しする。
このセリフはそんな忘れ去られてしまった名前や記憶も、思い出すことができないだけで、消えて無くなった訳ではないということを教えてくれるセリフとなった。
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