2「人が持つ思いや願いをこめて作られたものにはいつしか心が宿る」
バロン 『猫の恩返し』(2002)
映画『猫の恩返し』では、クリエイターが生み出した作品、アイデア、登場人物がいかに物事を変革させる力を持ち得るかを示す映画作品でもある。
猫の男爵であるバロンはそのメッセージを体現した存在だ。バロンは本作で中心的な役割を果たし、突如迷い込んだ主人公ハルの猫の国への旅をサポートする。
メタ的に解釈すれば、このセリフは、バロンがスタジオジブリ作品に初めて登場した映画『耳をすませば』(1995)や、彼がそれによってジブリファンより受けた愛情が、映画『猫の恩返し』の製作に繋がり、バロンに再び命を吹き込まれ再登場したことに言及している内容なのかもしれない。