7「生きる事はまことに苦しく辛い。世を呪い人を呪い、それでも生きたい。」
タタラ場の病者の長『もののけ姫』(1997)
スタジオジブリの大人向け作品のひとつである映画『もののけ姫』では環境保護と平和主義に関するメッセージを強調した。本作では神話に由来する登場人物たちを用いてこれらのメッセージを表現している。
森と人間という2つの世界が、人間の欲のために対立する。双方の立場を、単純なものではなく、複雑なものとして表現する本作。
この言葉はハンセン病を患う病者の長のセリフだ。本作の中心的となる自然と人間の対立の核心にある絶望、そして恐怖がいかに両陣営を無謀な行動に駆り立てているかを示したセリフとなった。