他の俳優にはないユニークな芝居で魅了
ムロツヨシ
【注目ポイント】
独特な佇まいと一度見たら忘れられない顔が特徴のムロツヨシ。今でこそ映画やドラマ、CMなどあらゆるメディアに引っ張りだこだが、意外にも遅咲きの苦労人だ。
大学を中退して俳優を志し小劇場を中心に活動するが、陽の目を見るまでおよそ15年かかっている。その長い下積み経験の中で、他の俳優にはないユニークな芝居を会得。
そんなムロツヨシの転機となったのが、映画『踊る大捜査線』シリーズや映画『亜人』などを手掛ける、本広克行監督の映画『サマータイムマシン・ブルース』だった。
その後ムロツヨシはその卓越したセンスを買われ、ドラマシリーズ『勇者ヨシヒコ』や、映画『銀魂』で知られる、コメディの巨匠・福田雄一監督作品の常連となる。
ムロツヨシの演技を堪能するためのお勧めの一本
『銀魂』(2017)
ムロツヨシといえばまず最初に思い浮かぶのが、福田雄一作品だろう。そこで今回は、『銀魂』をチョイスする。
「週刊少年ジャンプ」で連載されている空知英秋の漫画『銀魂』を実写化した本作は、映画シリーズ2作品がどちらも大ヒットしており、その人気ぶりがうかがえる。
江戸時代末期、地球に宇宙から来た“天人” (あまんと)が現れたことで、侍たちの勢いが失われてしまった。かつて侍だった銀時も、今は便利屋を営んでいた。
そんなある日、昔の同志が行方不明になったことを知った銀時は、仲間を助けるために再び剣を手にする…。とあらすじは何かかっこいい雰囲気を醸し出しているが、基本はコメディなので安心してほしい。
江戸一番の発明家・機械技師である平賀源外を演じるムロツヨシも例に漏れず、世界観の一員となっている。
漫画と同様、男子中学生同士の絡みのような、一見意味のないシーンが繰り広げられているが、多分本当に意味はないのだろう。延々とムロツヨシの悪ふざけする様子が映し出されている。
しかし、それが福田雄一がムロツヨシを起用し続ける所以でもあるだろう。