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共演者泣かせのアドリブ力

佐藤二朗

佐藤二郎
佐藤二郎Getty Images

【注目ポイント】

どんな作品に出ても圧倒的な存在感を発揮する佐藤二朗も、20代の頃は小劇場での活動が主であった。そんな彼が映像の世界に進出したきっかけは、佐藤の出演舞台を観た堤幸彦監督が、自身の作品へ起用したことであった。

周囲に芝居が上手い俳優がごまんといる中、当時から光るものを持っていたのだろう。

大きな体でごにょごにょと早口で話していたかと思えば急に大きな声で笑い出し、神出鬼行な挙動であるが、なぜか爆笑を生む。どんなにちょい役でもなぜかインパクトを残す、癖のある芝居が特徴だ。

佐藤が繰り出すアドリブは、面白すぎるが故に共演者が思わす吹き出してしまうため、NGを出してしまうという危険性もはらんでいるが、観ている分には最高だ。

佐藤二朗の演技を堪能するためのお勧めの一本

『新解釈・三國志』(2020)

佐藤二朗といえばムロツヨシと同様、福田監督作品に多く出演しているイメージがある。今回ピックアップした作品も、福田雄一監督が手がけた作品だ。

『三國志』を福田監督自身による新たな解釈のもとで映画化した本作は、1800年前の中国が舞台。中華統一を巡り魏、蜀、呉が勢力争いに明け暮れていた。そこへ、人々の平和を願う男・劉備が立ち上がる。

大泉洋をはじめとした豪華キャストに、福田組でおなじみの賀来賢人や橋本環奈が名を連ね、見事に一同ふざけ倒しておりカオスな時間が流れている。

武将・董卓を演じる佐藤二朗も例に漏れず、いつもどおりのお戯れ様だ。「絶世の美女」と謳われる貂蝉役の渡辺直美に振り回される役所ではあるが、2人も一応セリフは喋っていても、それよりもどうふざけるかに集中しているのがみて取れ、脚本とは別の意味で笑けてくる。

アドリブだろうと思われる言動もあり、佐藤二朗のふざけっぷりがたっぷりと楽しめる作品になっている。

(文・野原まりこ)

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