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実は超低予算だったメガヒット映画は…? 史上もっともコスパの良いハリウッド映画5選。奇抜なアイデアで世界を変えた作品たち

text by 編集部

映画製作には莫大な費用が掛かる。しかし、人の心を掴む作品は必ずしもお金が掛かっていることとは比例しない。今回は、低予算にも関わらず、製作費を大いに上回る興行収入を叩き出し、大金を稼いだ大ヒット洋画作品を5本セレクト。今もなお人々の心に残る名作のヒットに至るまでの経緯や、製作の裏側を徹底解説する。

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低予算ならではのリアルな質感
アメリカンドリームの代名詞的作品

『ロッキー』(1976)

映画『ロッキー』(左から)シルベスター・スタローン、カール・ウェザース
映画ロッキー左からシルベスタースタローンカールウェザースGetty Images

上映時間:119分
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
脚本:シルヴェスター・スタローン
出演者:シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、バージェス・メレディス、カール・ウェザース

【作品内容】

フィラデルフィアの三流ボクサー、ロッキー・バルボアは借金の取り立て屋をして日銭を稼いでいた。そこに世界チャンピオンのアポロ・クリードが、無名選手と戦う試合をブチあげ、ロッキーを指名する。最初は躊躇していたロッキーだが、仲間と愛するエイドリアンのために試合に出場することを決意。過酷な特訓を重ねて、リングへ向かう…。

1976年に公開され、世界的な大ヒットとなるだけでなく、第49回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、編集賞を受賞するなど、大きな評価を受けた名作ボクシングドラマ。脚本・主演はシルヴェスター・スタローン、監督はジョン・G・アヴィルドセンが務めた。

【注目ポイント】

映画のなかのロッキーと同様に、まったく無名だったシルベスター・スタローンをスターダムに押し上げた“アメリカン・ドリーム”の代名詞といえる1本。

売れない俳優だったスタローンが、テレビで観たボクシングの試合に感銘を受けて3日で書き上げた脚本は高く評価され、最終的に36万ドルという破格の値段を提示されたという。しかし、スタローンが自分が主演することにこだわったため、脚本料は2万ドルまで減額。総制作費も当時のテレビドラマレベルの100万ドル程度となった。

撮影中のエピソードも低予算ならではのものが多く、「エキストラにはスタローンの家族や知り合いが総動員」「有名なロードワークのシーンはゲリラ撮影で、果物屋の店主がオレンジを投げるのはハプニング」「試合シーンの観客エキストラはフライドチキン無料で呼び込んだ」など、どこまでホントかわからないが、映画ファンが語りたくなるものばかり。

とはいえ、低予算だったからこそ画面にリアルな貧乏臭さが漂い、汗と血の匂いがするドキュメント映画のような手触りも獲得。有名スターが主演、大予算で製作されていたら特に印象に残らない作品になってしまっていただろう。

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