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ヴォルデモート自身が選び取った運命のいたずら

映画『ハリー・ポッターの賢者の石』
映画ハリーポッターの賢者の石Getty Images

しかし、この予言にはハリーの名前は記されていないし、ハリーを特定することもできない。現に、ネビル・ロングボトムの両親もヴォルデモートに3度逆らい、ハリーの両親同様7月にネビルを出産している。

ではなぜヴォルデモートはネビルではなくハリーを選んだのか。それは、ハリーの境遇に自身の姿を見出したからだろう。現に、ヴォルデモートの父親トム・リドルはマグルであり、母親のメローピー・ゴーントを捨てて別の女性に走ってしまう。つまりヴォルデモートは、マグルの母親を持つハリーを自分と似た存在だと感じたのだ。

そして、この事実は、ヴォルデモートが運命の存在を自身で選び取っていたことを示唆している。つまり、ハリーは、運命によって選ばれたのではなく、ヴォルデモート自身の手によって運命の存在に仕立て上げられたのだ。

さて、ハリーを運命の存在に仕立てたヴォルデモートは、ポッター家の秘密の守り人ピーター・ペティグリューのタレ込みからハリーの両親の居場所を知ることになる。そして、ヴォルデモートは直ちにジェームズ・ポッターを殺害。続いてハリーを殺害しようと試みるが、リリーにより妨害される。

最終的にヴォルデモートは、傷跡をハリーの額に刻むことで、彼を自分と同等の存在に仕立て上げてしまう。つまりヴォルデモートは、自身を倒す力をハリーに与えたことで、自らトレローニーの予言を成就させるに至ったのだ。

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