ロシアの映像詩人
アンドレイ・タルコフスキー
「何千もの異なる人々が読む本。それは何千もの異なる意味を持つ本である。(A book read by a thousand different people is a thousand different books.)」
ロシア人監督であるアンドレイ・タルコフスキー。彼は新たなジャンルを確立した映画『鏡』(1975)から、ダークなSF大作である映画『ストーカー』(1979)まで、視覚的に映画を伝える方法を再定義した、極めてユニークな才能の持ち主である。
この名言は、映画『鏡』のような作品を視聴する際に特に適切な内容だ。何故なら本作のアプローチは映画の結論が何であったかを導き出すことを完全に観客に委ねるからだ。
この感覚は、視聴者により異なる結論を生むような常識を押し広げるアート全般に言えることだ。誰もが自分の意見と一致する意見を求める時代には、様々な経験を経て、それぞれに正当性が存在し、多様な見方があるというニュアンスは、見過ごされがちとなる。
アンドレイ・タルコフスキーは、映画を芸術表現であると同時に、自分が一体何者であるのかを結論を導き出させた視聴者に感じさせる、自己反省の手段のようなものと考えているのだ。
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