映画界の頂点を極めた男
フランシス・フォード・コッポラ
「どんな価値のあるアーティストでも、自分のやっていることを疑わない人はいないと思う。(I don’t think there’s any artist of any value who doesn’t doubt what they’re doing.)
映画『地獄の黙示録』(1979)と、映画『ゴッドファーザー』(1972)の監督として、フランシス・フォード・コッポラの作品を知らない人はいないだろう。
上記のような名作を手掛けた監督だが、この名言からはある程度の自信喪失を抱えていることを感じる。しかしそれは慰めというよりも、クリエイティブなものに対する正直で謙虚な反省と捉えられるだろう。
自分の行う仕事に疑念がなければ、エゴが芽生え、仕事に支障をきたす。
これは、「カルト的な名作」を作ろうと試みる映画監督や芸術家によく見られるケースでもある。この意識は重要なもので、どれだけ才能溢れる者でも自身の行う行為を疑い、一歩引いて観察することの大切さが伝わる名言である。