3「心とはポッター、複雑で重層的なものだ。少なくとも大多数の心とはそういうものだ。」
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)
スネイプとハリーの2人の会話は心の弾むようなやりとりではない。しかし根底に敵意や嫌味のあるスネイプの言葉に対して、それ気にせず、時としてスネイプに反抗するハリーという2人のやりとりは見ていて面白い。
このセリフは、ハリーがスネイプの個人レッスンを受け”閉心術”について学ぶ場面。スネイプは学生時代、ハリーの父親ジェームズに虐められていた。そのため息子のハリーに虐めの仕返しをしているかのように映る部分もある。
ハリーは人間界でマグル(魔法を使えない普通の人)の親戚に育てられ、ホグワーツに入学するまで魔法界のことを何も知らずにいた。しかしスネイプはそんなハリーの魔法に乏しい知性を侮辱するのだ。いくらスネイプが学校とヴォルデモートの間を行き来する二重スパイであっても、かつての同級生の息子であるハリーを侮辱している事実は変わらない。