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日本長編アニメで世界第2位の興行収入を記録
永久不滅のジブリの名作

1『千と千尋の神隠し』(世界興行収入:約557億円)

千尋とカオナシが海原鉄道で銭婆のもとへ向かうシーン© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
映画千と千尋の神隠しのワンシーン© 2001 Studio GhibliNDDTM

上映時間:124分
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
製作:鈴木敏夫
キャスト:柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子

【作品内容】

10歳の少女・千尋は、両親と共に車で引越し先へと向かう途中に、神様やお化けたちが疲れた体を癒しに訪れる温泉町へと迷い込む。その町の珍しさに千尋を置いてどんどん足を踏み入れていく両親。しかし町の掟を破った千尋の両親は豚に変えられた。

一人途方に暮れて町を彷徨う千尋。人間を拒絶するこの町で彼女は自分の名前を奪われ“千”という新たな名前を与えられ巨大な湯屋の下働きとして働くことになる…。

【注目ポイント】

映画『千と千尋の神隠し』の全世界興行収入は約3億8,388万ドル。これは日本円で約557億円にも昇る数字だ。本作は、2位の座に輝いたジブリ映画『ハウルの動く城』よりも200億円以上の興行収入という大差を生み1位を獲得。アニメ映画としては人気漫画『鬼滅の刃』を原作とした日本の長編アニメーション映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(2020)に次いで世界第2位の興行収入を記録している。

本作の大成功とその人気を考えれば、この記録はなんら不思議なことではない。実際、10歳の少女である千尋(柊瑠美)がひょんなことから神々や魔女、精霊が支配する世界に迷い込む物語を描いた本作は、映画史上最も有名なアニメ作品とは言わないまでも、今日まで海を超えて数多くの人々に語り継がれている物語となっている。

本作は、個性やアイデンティティ、自立、成長、友情、信頼、孤独など、非常に多くのテーマとメッセージで多層化を見せる。突如として全く新しい場所で生活することを余儀なくされ、その場へ溶け込もうと必死に働く千尋。彼女のその表情や質感、動きなどが緻密で滑らかに表現されており、多くの共感を生み出した。本作はスタジオジブリ作品を視聴したことがない人が初めて触れる作品として最高の出発点となるはずだ。

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