小説版の小ネタを拾った点は賞賛すべきだが…
掘り下げが足りなかった父親ジェームズの少年時代
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)
シリーズ3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、小説版の小ネタを丹念に拾い、クローズアップして表現している。
それは、ハリーの父親のジェームズ・ポッターとハリーを息子同然に扱うシリウス・ブラック、防衛術教授リーマス・ルービン、死喰い人側のスパイのピーター・ペティグリューの4人が結成したグループ「マローダーズ」だ。
ハリーは、このグループについて知ることで、父親の知られざる友情について知ることになる。しかし、小説版では、彼らの少年時代やホグワーツでの生活が仔細に記されている割に、映画版では基本的な情報しか記されていない。
もし「マロ―ダーズ」に関する物語がより掘り下げられていれば、本作は更なる傑作になったかもしれない。