リアリティ溢れる終末系作品
『シン・ゴジラ』(2016)
ーーーこちらも、庵野秀明さん監督の作品ですが、『ゴジラ-1.0』(2023)は、観に行かれましたか?
「ああ、行きましたよ!」
ーーー比較してみて、感じることはありましたか?
『ゴジラ-1.0』は、これも子供にせがまれて観に行ったのですが、まあ、子どもが好きなのはこっちでしょうね。
僕的に『ゴジラ-1.0』は、アクション的な要素が大きくて。アメリカ版の『GODZILLA ゴジラ』(2014)的な感じのニュアンスに捉えられたんですね。
いわゆる怪獣映画っていう感じもしつつ、昨今に起こっている戦争の後に公開されているというメッセージ性も感じました。
ーーー数あるゴジラシリーズの中で、『シン・ゴジラ』を上げられた理由は?
「ゴジラが実際現れたらと考えた際の、リアリティがやっぱり強かったです。 ゴジラに対してミサイル1個打つのもこんなに大変なんだとか」
ーーー現実感が一番ある作品だと。
「そうですね。もう、火を吹く場面なんか震え上がりましたね。滅多に買わないパンフレットも買ったもんなあ」
ーーー特に好きなキャラクターはいますか?
「主人公の矢口蘭堂(長谷川博己)は、もちろん好きなのですが、総理大臣である大河内清次(大杉漣)は、『いるわこんな人!こんな総理大臣いそう!』っていうその感じがいいなと。
うん、そういった矢口のようないかにも架空の人と、実際にいそうな人たちのミックスした感じが、今作の惹きつけられるところではないでしょうか。
この映画がきっかけで、子供と一緒にゴジラシリーズ全部観たんですね。 で、アニメ版の『GODZILLA』(2017〜2018)には、『デレレッデレレッ♪』といった、あの有名なサントラが使われてなくて。
そこで実感したのが、同じ『ゴジラ』を表現するのでも、音楽次第でこんなに印象が違うんだ、 そんなにテンション上がらないということでした。
それに比べて、『シン・ゴジラ』では、ゴジラが火を吹くシーンでの音楽の使い方も、絶妙に盛り上げてくれて、何回見ても発見がある。うん、やっぱり、庵野監督演出が好きなんでしょうね」
ーーー特撮ものやアニメは、子供の頃から好きだったんですか?
「普通に好きでしたよ。特に戦隊シリーズの『太陽戦隊サンバルカン』(1981〜1982)とか」
ーーーああ、戦隊もので、唯一3人体制の。
「そうそう!なんか、インパクトありましたよね、あれ。なんで、3人なんだよって(笑)」