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有名監督の黒歴史となった映画は? 日本が世界に誇る映画監督、賛否両論の問題作5選。議論を巻き起こした作品をセレクト

text by 編集部

「弘法にも筆の誤り」という言葉があるように、どんな達人でもときにあり得ない失敗をしてしまうことがある。とりわけ映画の場合は、スポンサーの意向が大きく働くため、どんな巨匠でも駄作を作ってしまう可能性が大いにある。今回は日本映画界を代表する監督たちの知られざる”黒歴史”を、彼らの偉大さと併せて紹介しよう。(文・編集部)

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「世界観を崩壊させる地獄の10分」
ファンの期待を逆なでした最悪の改変

山崎貴『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』(2019)

監督の山崎貴【Getty Images】
監督の山崎貴【Getty Images】


総監督:山崎貴
監督:八木竜一、花房真
脚本:山崎貴
出演:佐藤健、有村架純、波瑠、坂口健太郎、山田孝之

【作品内容】

魔物に連れ去られた母マーサを取り戻すため、父パパスと旅を続けている少年リュカ。しかし、2人は、道中でゲマ率いる魔物たちに遭遇。大激戦の末、パパスはリュカの前で非業の死を遂げる。それから10年、故郷に戻ったリュカは、「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」というパパスの日記を発見。父の遺志を継ぎ、再び冒険の旅に。次々とやってくる試練に、ビアンカとフローラという2人の女性をめぐる究極の選択―。リュカの冒険の先には一体何が待っているのか…。

【注目ポイント】

『ゴジラ-1.0』が全米での邦画興行収入歴代2位を記録するなど、好調の山崎貴。しかし、山崎は、一般的には『スタンドバイミー ドラえもん』(2014)など、原作を改悪する監督として知られている。中でも特にひどいのは、『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』をベースとした『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』だろう。

本作は、『ドラゴンクエスト』シリーズ初の3DCGアニメ映画。山崎は総監督とVFXを務めており、監督は八木竜一と花房真が担当。キャストには、佐藤健や有村架純、波瑠、坂口健太郎、山田孝之と、豪華キャストが名を連ねる。

本作最大の問題点、それは、ラスト10分のどんでん返しにある。主人公のリュカは、ラストで大魔王と対峙するが、魔王の正体が実は現実世界から侵入したウイルスであることが明らかになる。つまり、ゲームの中の世界が、実はおとぎ話の世界であることが最後の最後で明かされるのだ。

この衝撃の展開に、映画を心待ちにしていたゲームファンは一様に激怒。公開当時は、「映画史上最悪の体験」「世界観を崩壊させる地獄の10分」など、怒りをぶつけるようなコメントがネット上に並んだ。

加えて、2020年のNetflix配信時は、劇場に足を運ばなかった観客が本作を鑑賞し再炎上。燻っていた火にさらに油を注ぐ形になった。

今後、日本映画界を代表する監督になっていくだろう山崎。しかし、本作を撮った罪は一生付きまとうのかもしれない。

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