13部門ノミネート9部門受賞の快挙
『風と共に去りぬ』(1939)
上映時間:222分
製作国:アメリカ合衆国
監督:ヴィクター・フレミング
脚本:シドニー・ハワード
キャスト:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ハティ・マクダニエル、レスリー・ハワード
【作品内容】
南北戦争直前のジョージア州。農園で開かれたパーティーに、激しい気性と美貌を持ち合わせた女性スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)が現れる。彼女は、思いを寄せていた幼なじみの男性アシュレーが、従姉妹の女性と婚約すると知り、いら立ちをつのらせる一方、不遜な態度のレット・バトラー(クラーク・ゲーブル)に惹かれていく。程なくして、南北戦争が勃発。スカーレットは、激動の時代の奔流に飲まれていくことになる。
【注目ポイント】
本作は、マーガレット・ミッチェルの同名ベストセラーを映画化した作品。主演はビビアン・リーとクラーク・ゲーブルで、1940年の第12回アカデミー賞にて、13部門でノミネートされ、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞、色彩撮影賞、美術監督賞、フィルム編集賞の8部門に輝いた。
カラー作品として初めてオスカー作品賞を受賞した本作。その最大の功績は、スカーレットのメイドであるマミーを演じた黒人女優ハティ・マクダニエルがアフリカ系アメリカ人として史上はじめて助演女優賞を受賞したことだろう。
当時のアメリカには、まだ露骨な黒人差別が残っており、州によっては人種隔離政策が施行されていた。そんな中、彼女が表彰式に登壇するのは、まさに歴史が動いた瞬間だった。
また、本作といえば、ヒロイン・スカーレットのキャラクターも忘れてはならない。
裕福な農園主の娘で、わがままで傍若無人だったスカーレット。しかし、南北戦争の影響で人生が一変し、人々に感銘を与えるビジネスリーダーへの成長していく。男尊女卑が当たり前だった公開当時、自分の意思で生きる道を切り拓く型破りな女性像が多くの女性の憧れとして映ったのは言うまでもない。